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南太平洋・タロ島、住民まるごと移住へ 水没危機を回避

朝日新聞
2014 年 8 月 19 日

ロイター通信によると、南太平洋ソロモン諸島のタロ島で、海面上昇による水没を避けるため、住民をまるごと別の島に移すことになった。地球温暖化の影響で、水没の危機に直面している島国は多いが、実際に島ごと移住を決めたのは太平洋で初めてとみられる。

 移住するのは、チョイスル州の州都があるタロ島。南北1キロ未満のサンゴ環礁の島に約1千人が住む。海抜は2メートルに満たない。海面上昇による洪水や津波への懸念が年々高まっており、地元当局がオーストラリア政府の支援を受けて専門家チームを立ち上げ、対策を検討してきた。

 その結果、集落を存続させるには、浸水に備えて予防策を取ると同時に、長期的に対岸のチョイスル島に新しい州都を造り、住民を段階的に移住させるしかないと判断した。

 移住の完了までは数十年かかる見通しだが、まず今後5年で道路や病院、学校などインフラ整備を進める。移住に必要な予算は数億ドルに達するとみられ、国際社会に支援を求めることになるという。(ワシントン=小林哲)

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